イタリアの料理雑誌を日本語で読む
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『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』

SICILIA / LA CUCINA DI CASA PLANETA
著者:ELISIA MENDUNI
出版社:Electa
2015年版、20.5×26p、245ページ
価格¥8,400(税込・送料込) 在庫あり
シチリアの人気ワイナリー、プラネタ。その経営者、プラネタ一族と20年に渡って親交を深めてきたエノガストロノミーのジャーナリストの著者。
シチリア人は最初はとっつきにくいが、一度心を開くと全てをさらけ出して熱くもてなしてくれる。
当時はシチリアの若手ワイン醸造家として頭角をぐんぐん現してきたプラネタは、古い伝統にとらわれない新世代のワイン造りで、世界を魅了していた。
この本は、駆け出しのジャーナリストだった著者が、貴族の家系のプラネタ家のキッチンで時を過ごしながら門外不出の家族のリチェッタを知るまで親しくなった結果でもある。
料理はどれもシチリアの素朴な伝統料理ながら、洗練された美しいものばかり。
さらに、プラネタがシチリア各地にワイナリーを拡大していくにつれて、料理の種類も広がっていく。
プラネタはリゾートホテルの経営にも取り組み、シェフのテクニックや感性も加わって、プラネタ家の料理は一段と洗練されていく。
シチリアを代表するワインの作り手として、シチリアの美食文化の担い手の一族の貴重なリチェッタを、シチリアの空気が感じられる美しい写真で紹介する豪華な本。
巻末にはプラネータのワインガイドも。

『クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』紹介動画
ラ・フォレステリア・プラネタ・エステート紹介動画

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※「総合解説」2016年2月号に一部のリチェッタの日本語訳を載せています。
"チーズの具のアランチーニARANCINI DI RISOS RIPIENE DI FORMAGIO
※「ブログ「イタリア料理ほんやく三昧」で紹介しています。
※「ブログ「イタリア料理ほんやく三昧」プラネタの料理は世界中のグルメな顧客の好奇心にドンピシャ。で紹介しています。
※「ブログ「イタリア料理ほんやく三昧」ピッツァでもフォカッチャでもないシチリアのスカッチャで紹介しています。
スカツチェscacce(リチェッタ翻訳)
※「ブログ「イタリア料理ほんやく三昧」シチリアのパスタのほぼ最終形態、アネッレッティのオーブン焼きで紹介しています。

※「ブログ「イタリア料理ほんやく三昧」日曜のディナーに招待された時の手土産の定番は、パスティッチェリアの盛り合わせのトレー。で紹介しています。
"レモンのグラニータ GRANITA AL LIMONE
"ズッキーニとミントのパスタPasta zuccchine e menta
オレンジのサラダInsalata di arance
ピスタチオのビスコッティBiscotti di pistacchi

リチェッタ翻訳

“肉の詰め物のアランチーネ・ディ・リーゾ/ARANCINE DI RISO RIPIENE DI CARNE”

【材料/25個分】
カルナローリ米・・500g
水・・1リットル
バター・・125g
玉ねぎ・・35g
セロリ・・1本
にんじん・・1本
粉サフラン・・0.5g
グラナ・パダーノDOP・・50g、塩

詰め物;
牛肉の小角切り・・600g
トマトソース・・500ml
玉ねぎ・・1kg
トマトペースト・・200g
ヴィーノ・ヴェッキオ(上質ワインにマルサラ・セッコを20%加えた特製ワイン)・・100ml
グリーンピース・・100g
プリモサーレ(ペコリーノ)・・300g
EVオリーブオイル・・150ml
シナモンパウダー
塩、こしょう

衣;
00番の小麦粉
溶き卵・・2個
パン粉・・200g

・大鍋に水、塩、玉ねぎ、セロリ、ニンジンを入れて沸騰させる。
・弱火にして最低30分ゆでて漉し、軽い野菜のブロードを取る。
・ブロードにサフランを溶いて米を入れる。
・中〜強火で米がブロードを完全に吸うまで煮る。米はアルデンテに煮上げる。
・広いオーブン皿に広げてバターとおろしたグラナ・パダーナを加える。混ぜて手早く冷ます。
・詰め物を作る。肉を油で炒めながら玉ねぎのみじん切りを加える。
・ワインをかけてアルコール分を飛ばし、トマトソースとトマトペーストを加える。
・塩、こしょう、シナモンで調味してとろ火で煮る。
・肉がフォークで簡単に崩れるくらい柔らかくなったらゆでたグリーンピースを加える。
・掌に軽く水をつけて米を薄く広げる。
・中央に詰め物を少量のせ、米で覆って丸く握りながら閉じる。
・詰め物はアランチーナの重さの2/3、米が1/3になるようにする。
・表面に水をつけ、小麦粉、溶き卵、パン粉をまぶす。
・たっぷりの油で揚げて熱いうちにサーブする。

おすすめワイン;ラ・セグレタ・イル・ビアンコDOCシチリア、チェラスオロ・ディ・ヴィットリアDOCG




“パネッレ/PANELLE(チェーチのフリッテッレ)”

【材料/4人分】
チェーチの粉・・500g
水・・1.5リットル
イタリアンパセリのみじん切り・・20g
揚げ油用ピーナッツ油
塩、黒こしょう

・鍋に水とチェーチの粉を入れてダマができないように混ぜる。
・塩、こしょうし、スパテラでかき混ぜながら沸騰させる。
・チェーチがクリーム状になって鍋肌からはがれるようになるまで煮る。
・イタリアンパセリを加え、油を塗ったバットに広げて冷ます。
・ちなみに私たちは軽く濡らして油を塗ったくぼんだ古い皿の裏に塗る(上記の紹介動画参照)。
・冷めたら四角く切って、またはくし切りにしてたっぷりの油で揚げる。
・イタリアンパセリの代わりにフェンネルシードを加えてもよい。

おすすめワイン;シャルドネDOCメンフィ、ブリュット・メトド・クラッシコ




“ペスト・トラパネーゼのブジアーティ/BUSIATI CON PESTO ALLA TRAPANESE”

【材料/6人分】
硬質小麦のリマチナータ粉・・400g
水・・200ml
EVオリーブオイル・・大さじ1

ペスト;
完熟トマト・・500g
バジリコ・・50g
皮むきアーモンド・・100g
パン粉
EVオリーブオイル・・50ml、塩

・台に小麦粉をフォンタナに盛る。
・中央に油大さじ1と水大さじ1を入れる。
  ・まずフォークで混ぜ、次に手で力を入れてこねてなめらかで均質の生地にする。
・ラップで包んで冷蔵庫で30分休まねせる。
・麺棒で厚さ最低3〜4oに伸ばし、長さ4pに切る。長い串に素早く巻き付ける。
・この串は編み棒のような長さの細い串で“ブッショ”と呼ばれ、
・そこからブジアーティというパスタの名前がつけられた。
・この串に巻きつけて台の上でさっと転がすとロング・フジッリができる。
・最低1時間乾かして塩を加えたたっぷりの熱湯でゆでる。
・その間にバジリコとアーモンドを乳鉢ですり潰して緑のクリームにする。
・ミキサーを使ってもよいが、その場合は均質で赤みがかったペストになる。
・ブジアーティは8〜10分でゆで上がる。
・水気を切ったらアーモンドを加えたペスト、トーストしたパン粉、バジリコのみじん切りであえる。
・マルサラではセロリの葉とイタリアンパセリ入りのよく似たペストを“マタロック/mataroccu”と呼ぶ。
・ファヴィニャーナではこのペストと、小麦粉をつけてオリーブオイルで揚げた小魚であえてパスタにする。

おすすめワイン;アラストロDOCシチリア、ロゼDOCシチリア
おすすめオリーブオイル;DOPヴァル・ディ・マザーラ(ノチェッラーラ・デル・ベリチェ、ビアンコリッラ、チェラスオロ